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いまさら人に聞けない?神社参拝の正しい作法

「あなたは神社にお参りしますか?」と聞かれれば、初詣の機会もありますし、大半の方が「はい」とお答えになると思います。では「あなたは神社に正しい作法でおまいりしていますか?」と聞かれるとどうでしょう?

実は、神社には正しいお参りのしかた(=お作法)があるのです。
「お作法」と聞くと堅苦しいイメージがありますが、あまり難しく考える必要はありません。お参りするにあたって「心」を整え、自分の思いを神様によりよい「形」で伝える方法として「お作法」があると思っていただければ結構です。一番大切なのは神様に対して誠実な心でお参りすること。

神様ともっとお近づきになるコツとして、より気持ちよくお参りするためのポイントとして、基本的なお作法を身につけておきましょう。きっと今まで以上に清々しく、楽しくお参りができるはずです。

 

鳥居からお参りまで~覚えておきたい4つのポイント

神社参拝のお作法として、いくつか押さえておきたいポイントがあります。 それがおおよそ以下の4つです。

1.鳥居のくぐり方

2.参道の歩き方

3.手水の取り方

4.拝礼(お参り)の仕方

さっそく今挙げた1~4にしたがって、境内に入るところから順にお作法を紹介していきたいと思います。

 

1.鳥居に入るのは右足から?左足から?

神社の入り口には鳥居や注連柱があり神域の境を示しています。そこから先はいわば神様の家の敷地にあたります。「おじゃまします!」という気持ちで一礼してから鳥居をくぐりましょう。

この時、参道の真ん中から遠い方の足から踏み出すのがポイントです。つまり鳥居の真ん中より右側で一礼した人は右足から、左側からの人は左足から入ります。

これは参道の真ん中(=正中:せいちゅう)に一歩目でお尻を向けない、出した足で真ん中方向を蹴らないようにするためです。二歩目以降はそのまま普通に歩いていただいて結構です。

それにしても道の真ん中にお尻を向けてはいけないのはどうしてでしょう?「ただの道でしょ?」 次の参道の歩き方で併せて説明します。

 

2.正中はご神前の延長線。参道は真ん中を避けて歩きましょう!

結論は「参道は真ん中を避けて歩きましょう!」と至ってシンプルです。参道の中心は「正中(せいちゅう)」といい、敬意を払うべき対象とされています。それは正中をご神前の延長線と捉えるからです。

普段の私たちの生活の中でも、目上の人の真ん前に正面切って立つことはないと思います。神様に対しても同様に、正面に仁王立ちするようなお作法はありません。この敬うべきご神前の延長線として、正中も大切に考えられているのです。

もう一度結論です。参道を歩くときはこの正中を外して歩くよう心掛けましょう。
やむを得ず正中を横切る必要のある場合は、神様の視界をさえぎらないようにするイメージで、上体を少し前かがみにしながら横切ります。実はこれ「屈行(くっこう)」といって神職や巫女も行っている正式なお作法なんですよ。

 

3.神様は綺麗好き?お参りの前に身を清めましょう!

ご本殿へお参りする前に手水舎(てみずや)で身を清めます。 お作法は以下の通り。

手水1

柄杓(ひしゃく)を右手に取り、まず左手を濯ぎます

手水2

次に柄杓を左手に持ち換えて、右手を濯ぎます

手水3

再び柄杓を右手に持ち、左掌に受けた水で口をすすぎ、その後改めて左手を濯ぎます

この一連の所作を「柄杓一杯分の水」で行うのが基本ですが、左手、右手、口、左手と都合四回に分けて手水を取るお作法もあります。その場合、柄杓に汲んだ水はその都度使い切ります。

 

4.いよいよお参り!「再拝・二拍手・一拝」で神様に感謝や願いを伝えましょう!

いよいよご神前に進んでお参りです。現在、多くの神社で一般的に行われているのが「再拝・二拍手・一拝」というお参りの作法です。手順は以下の通り。

拝礼1,3

まず二回、深く頭を下げます  腰から九十度に曲げる程度が美しいとされます

拝礼2

胸の前で両手を合わせ、右手を少し手前にずらし音を立てて手を打ちます  二拍手のあと、両手の指先を揃えて、祈りをこめます

拝礼1,3

最後にもう一回深く頭を下げます

神社によっては「一拝のみ」を以て拝礼の作法としていたり拍手の回数が異ったりするケースがありますが、そういった場合も「再拝・二拍手・一拝」でお参りしていただいて何ら差し支えありません。

お参りが済んだら来た時と同様に、参道は正中を避けて進み、鳥居を出たところで振り返って一礼して帰ります。

 

・「形」だけにとらわれるのは本末転倒。

以上、神社にお参りの際に押さえておきたい4つのポイントを見てきました。もう一度おさらいすると、

1.鳥居の前では一礼して外側の足から境内へ

2.参道は正中を避けて歩く

3.お参りの前には手水で身を清める

4.お参りは「再拝・二拍手・一拝」が基本のお作法

ということでした。まとめてみると簡単ですね。

一貫して「形」の話をしてきましたが、冒頭で申し上げた通り一番重要なのは神様への誠実な「心」です。基本的なお作法を覚えたら、お近くの神社などでの実践を通じて、神様に気持ちを伝えやすい自分にしっくりくるお参りの「形」を探してみてください。